パンは強力粉でしか作れない。と、思っていませんか?
実は薄力粉でもパンを焼くことができます!
こんにちは!mugiです!
世界を旅しながらおいしい食べ物について発信しています!
「小麦粉っていろいろあって、どうやって選べばいいかわからない!」
こんな悩みを抱えていませんか?
実は同じ強力粉でも、タンパク・灰分の量はさまざま。強力粉や薄力粉というカテゴリでとらえずに、タンパク、灰分、小麦品種や挽き方の違いなど小麦の性質を理解することで、小麦粉を購入しやすくなると思います。
今回は、元製パン業界で働いていた私がおすすめする、小麦粉選びに重要な3つのポイントをご紹介します。
とっても詳しく解説するので、少し読むのが大変かもしれません!
要点だけ知りたい方は、目次のところからクリックして飛ばして読んでみてくださいね!
1. タンパク・灰分値で選ぶ
一般的には、タンパク値が高い粉ほど「強力粉」とされています。これは、パン作り全般に使える便利な粉なんです。
でも、注意したいポイントがあります。それは、「灰分値」です。
灰分とは、小麦粒の外皮を含むミネラルのことを指します。
灰分値が高いと、水が入りづらくなったり、パンがうまく膨らまないことがあるんです。でも、小麦の香りを楽しみたい方には、灰分値の高い小麦粉がおすすめです!
実は、同じ強力粉でも、焼き上がりの膨らみや焼き色が異なることがあるんです。これは、「タンパク質」と「灰分」が大きく関係しています。
タンパク値が高ければ膨らむとは限らない
タンパク値が高いほど、パンがよく膨らむと思われがちですが、実はそうとは限らないんです!
例えば、国産小麦の「きたほなみ」という薄力品種の小麦粉は、タンパク値が12%を超えることがあって、超強力粉並みのタンパク量を持っていることがあります。でも、実際には超強力粉のようにしっかりと膨らむわけではないんです。
それは、タンパク質の性質が異なるからなんです。
小麦のタンパク質はグルテンだと思われがちですが、実はグルテンはタンパク質の一部でしかなく、同じではありません。だから、タンパク量が多い=膨らむという考え方だけで小麦粉を選ぶと、最適なものを見つけられないことがあるんです。
また、膨らまない小麦品種は製パン性が「悪い」とされがちですが、実は発酵時間によっては逆に良い面があるんです。
例えば、「きたほなみ」は長時間発酵に向いていて、ハードブレッド専用粉としてよく使われています。長時間発酵されることで旨味が増し、パリッとしたクラストのおいしいバゲットが作れるんです!
灰分が高いと膨らみづらい
実は、小麦の灰分とは小麦粒の外皮に含まれるミネラルのことを指しているんです。これにはたくさんの栄養素が含まれていて、健康的なメリットがあるんですよ。
さらに、灰分が多い小麦粉は、小麦の香りや味わいがより豊かに感じられるんです。
ただ、注意点もあります。灰分値が高いと、パンが膨らみにくくなることがあるんです。
また、同じ加熱時間で比べると、灰分が多い方が焼き色が濃くなります。
もし、真っ白でふわふわなパンがお好みなら、灰分が多い小麦粉は少し地味に見えるかもしれませんね。
思っていたよりもあまり膨らまないと思ったら、
タンパク:12%以上
灰分:0.45%以下
を目安に小麦粉を探してみるといいかもしれません。
2. 品種で選ぶ
タンパク値の高い小麦粉でも、パンが膨らみやすいとは限りません。例えば、タンパク値が12%以上のきたほなみ小麦の場合はどうでしょうか。
きたほなみ小麦は薄力品種として誕生した小麦です。ですので、タンパクの量は多くてもタンパクの性質が異なるため、ソフトな食パンなどにはあまり向きません。
同じ品種でもグルテンの性質が違うこともあり、膨らみ方など製パン性が異なることがあります。
小麦品種の基本的な特性
超強力系 | ゆめちから、みのりのちから |
---|---|
強力系 | はるゆたか、春よ恋 |
準強力系 | はるきらり、キタノカオリ |
中力系〜薄力系 | きたほなみ |
3. 挽き方で選ぶ
小麦粉の挽き方には”ロール挽き”と”石臼挽き”の大きく2つに分けられます。
ロール挽き
ほとんどの小麦粉はロール挽きで製粉されています。ロール挽きとは2本の金属のローラー同士の間に小麦を通すことによって粉砕するやり方です。ロール挽き製粉は粉砕と分別を繰り返して徐々に製粉するため、小麦の外皮(ふすま)を取り除くことができ、白い小麦の部位だけを取り出して製粉することができます。
大量に製粉できるためコストも安く短時間で製粉ができ、かつ製パン性の高い小麦粉を製粉することができます。
石臼挽き
一方石臼挽きは、大きな円柱状の石を回転させてその間を小麦を通すことで粉砕します。昔ながらの方法で、昔は風車や水車で動力を得て石臼を回していました。
粉砕の際に発生する熱を石が吸収してくれるため小麦の香りを高く保つことができ、主に全粒粉として製粉されます。製粉に非常に時間がかかるため大量生産には向いておりません。
強力粉〜薄力粉の考え方
実は、強力粉や薄力粉という考え方は日本独特のもので、世界各国ではそれぞれ独自の表示がされています。
例えばフランスでは、タンパクや灰分、挽き方によって、より細かく分けているんです。Tyep45とか、聞いたことある方もいるかな??
ですので、強力粉だからといってクッキーを焼けないわけではありませんし、薄力粉だからといってパンにならないというわけではありません。
作りたい生地の食感、作り手のお好みによって最適な小麦粉を選んで楽しんでいただきたい。というのが私の考え方です。
しかし、一般論として、強力粉〜薄力粉は次のように定義されることが多いです。
強力粉 | 食パンなどパン全般、また、ピザや麺など幅広く使用できる小麦粉 |
---|---|
準強力粉 | ハードブレッド、あっさりとした食パン、クロワッサンにおすすめの小麦粉 |
中力粉 | 麺、スコーンなど重めの生地の焼き菓子用としておすすめの小麦粉 |
薄力粉 | スポンジケーキなど口溶けの軽い焼き菓子としておすすめの小麦粉 |
全粒粉 | 灰分が1.00%を超えるもの もしくは薄力〜強力粉にブレンドして使用することを推奨する小麦粉 |
強力粉だからお菓子は無理。とか、薄力粉だからパンは無理。と考えず小麦粉は意外と万能に使えますから積極的にいろいろなレシピにチャレンジしてみてください!
小麦粉への理解が深まりますし、意外な発見やベストな組み合わせ、あなたに最適な小麦粉が見つかるはずです。
まとめ
今回は強力粉と薄力粉の違いや、小麦粉の選び方についてご紹介しました!薄力や強力というカテゴリだけではなく、品種や特性を理解すると、小麦粉が選びやすくなり、よりパン作りが楽しくなると思います!
ぜひ参考にしてみてください!
ではでは^^